【Google広告】広告コンバージョン数と実際の受注数に差がある? コンバージョンのトラブルシュートについて徹底解説
例えば、今あなたがGoogle広告で『商品が購入される』と効果測定をするように設定しています。そこで、Google広告管理画面で確認するコンバージョン数が、実際の受注数と異なっている場合、原因は何になるか考えてみましょう。これに関しては、様々な角度から要因を探ります。

この記事で紹介している内容
管理画面のコンバージョン数が実際の受注数より少ない場合
1. 広告経由のユーザーではない可能性
Google広告からきたユーザーのみが、必ずしも購入したと言い切る事はまだ早いです。自然検索からあなたのウェブサイトへの流入ももちろんあります。故に、広告媒体から流入したユーザーのみがあなたのウェブサイト上で商品を購入をしたとは限りません。もし、ウェブサイトの管理画面や、他に使用されている計測ツール側で、『Google広告媒体を経由してきた』という何かしらの証拠がある場合は、他の視点から原因を探ります。2↓へ進んでください。
2. Cookie規制問題への認識
まずCookie規制とは、Apple社が開発しているSafariブラウザを使用しているユーザー達に対して、サードパーティCookie(広告媒体から来たというラベル)を付与することができなくなる現象です。
現状、Google広告関連の効果測定では、GTM又はグローバルサイトタグを導入することによりCookie規制を一時的に緩和することができます。一方で、GTMないしグローバルサイトタグを導入していない場合、広告をクリック経由でランディングページへ到達した時点で、Safariブラウザへ付与するCookieは完全に消滅してしまいます。それが原因で、実際の受注数と効果測定の数値が全く合わない事があります。
また、「タグは入れているのにまだ数値に隔たりがある」と思う方は、今からお話する事象についても頭に入れておいてください。タグを入れることによって、一時的にCookie規制の問題を緩和する事ができますが、完全ではありません。どういうことかと言うと、タグのおかげでSafariブラウザへ付与できたサードパーティCookieを短時間のみブラウザへ保持する事ができます。逆に言うと、広告をクリックしたSafariブラウザを使用しているユーザーに対して付与したサードパーティCookieは、一定時間が経つと自然に消滅してしまいます。そうなってくると、広告をクリックしたSafariユーザーの方がいたとしても、クッキーが有効な期間の内に購入まで辿り着かない場合、効果測定のデータはついてきません。
一方で、Google ChromeやFirefoxなどのブラウザを使用しているユーザーに対しては、数十日以上もの間サードパーティCookieを付与することが可能です。日本でApple製品のシェアは高いし、MacbookやIPhoneユーザーの割合は全体の50%以上います。それゆえに、必ずしも皆がGoogle ChromeやFirefoxを使っているという事はあり得ません。漏れている効果測定のデータはほとんどの場合、Cookie規制問題が関連している事が現実です。
Cookie規制についてもっと詳しく知りたい方や、Cookie規制をできるだけ回避するための情報は、↓の記事を読んでください。
管理画面のコンバージョン数が実際の受注数より多い場合
効果測定の数値の方が実際の受注数より多い場合は、明らかにGoogle広告側のコンバージョン設定や、コンバージョンタグの設定がおかしいと疑って良いです。大概の場合、ウェブサイトのシステム側の都合とコンバージョンタグの概念の相性の悪さが原因です。
1. コンバージョンカウント方法を見直す
コンバージョンカウント方法とは、広告をクリックしたユーザーが発生するコンバージョンをどういったルールでカウントするかの設定です。管理画面では、下の二種類の設定ができます。
初回のみ
カウント方法を『初回のみ』にすると広告をクリックしたユーザーが、一度購入を完了させるとその時点でカウントがされ二度目以降はカウントさせなくする設定です。要するに、新規ユーザーが発生させたコンバージョンのみカウントされる仕組みです。
全てのコンバージョン
カウント方法が『全てのコンバージョン』と設定されている場合、広告をクリックしたユーザーが一度購入を完了させた時点でカウントがされます。また、そのユーザーがもう一度何か商品を購入したり、効果測定タグが設置されているサンクスページを再読み込みした場合など、タグが動作する度にコンバージョンが計測される設定です。従って、このカウント方法では新規ユーザー以外の場合でも計測がされます。
もし、今あなたが行なっている効果測定のコンバージョン設定で、『全てのコンバージョン』が選択されている場合、管理画面側のコンバージョン数が実際の受注数より多くなることは明白です。あるユーザーが購入をして、購入完了ページに効果測定タグが埋め込まれているとすると、そのユーザーがサンクスページを再読み込みするだけでタグが反応するので、何も商品を購入していないのにコンバージョンデータとしては数値が計測されてしまいます。
この事象を防ぐために、『初回のみ』というカウント方法が用意されていますが、これにも懸念点があることは否めません。ユーザーが一度目に購入すると、その時点でカウントがされますが、そのユーザーが何かを買い忘れて再度購入しても、二度目以降の計測は全くされなくなってしまいます。こういった理由から、『全てのコンバージョン』のカウント設定はほとんどのコンバージョンの場合でデフォルト設定になっています。
2. 広告アカウントへトランザクションIDを送信する
そこで、一番オススメの設定は、コンバージョンタグ側で『トランザクションID』を設定し、カウント方法を『全てのコンバージョン』に設定します。トランザクションIDは、ユーザーが支払いをした際にウェブサイトから発行されるIDなので、全く同じIDが重複すると言うことはないです。このトランザクションIDをGoogle広告アカウント側へ送信することにより、トランザクションID別にコンバージョンの発生を判断するので、実質『全てのコンバージョン』のカウント方法を維持しながらより正確な効果測定のデータを計測する事ができるようになります。
コンバージョンタグでトランザクションIDを設定する方法は、↓の記事を参照してください。