【Google広告】コンバージョンデータの戦略を練ろう!アトリビューションモデルについて徹底解説
アトリビューションモデルは、コンバージョン作成画面・コンバージョン編集画面で設定が求められる項目です。アトリビューションモデルとは何か、アトリビューションモデルで何ができるのか、本記事で詳しく解説しています。

この記事で紹介している内容
アトリビューションモデルとは
アトリビューションモデルは、コンバージョンまでに至った経路の内、どれにコンバージョンを貢献するかをルール付けする設定です。
分かりやすい表現をすると、最終的にコンバージョンが発生したのは広告の効果はもちろん含まれていますが、それまでに『口コミ』の閲覧がされていたり、『メルマガ経由』で流入してきたり、『自然検索』で流入してきている経路があるとすると、全てがクリックされた広告のおかげでコンバージョンに繋がったというわけではなさそうです。
様々な経路を通ってやってきたユーザーが発生させたコンバージョンをどうそれぞれの経由地に貢献させるかといったルールの決定付をアトリビューションモデルの設定で行うことが出来ます。
アトリビューションモデルを設定する目的
冒頭に挙げた例のように『どの流入経路に対してコンバージョンのデータを貢献するか』をルール付けすることが出来るのがアトリビューションモデルです。それをすることによって何の意味があるのでしょうか。
まず、Googleが何かを簡単に知っておく必要がありますが、Googleは常にユーザーが入力するキーワードを最適化しているロボットです。つまり、自然検索であれど、広告クリックに繋がったキーワードであれど、Googleは常にユーザーのトレンドを機械学習しています。
そこで、例えば広告A経由で発生したコンバージョンに対して100%の貢献度をルール付けするとすると、広告Aのクリックに繋がった検索キーワードのみをGoogleは学習するようになります。
次に、その広告Aがクリックされる以前に、自然検索での流入経路があったとします。自然検索で使用されたキーワードをGoogle広告アカウント側で確認することは出来ませんが、アトリビューションモデルを『それぞれの経路に均等にコンバージョンを貢献する』といった設定をした場合、自然検索で使用されたキーワードと広告クリックの際に使用されたキーワード、どちらにも等しく貢献度が分配されます。
これにより、Google側ではキーワードの最適化が行われ、次にどのキーワードをトレンドとして広告出稿するかどうかの戦略を練ることが出来るようになります。
また、アトリビューションモデルの設定で『どの広告・キーワードへコンバージョンを貢献するか』をルール付けるということは、もちろんキャンペーン側で設定しているコンバージョンベースで最適化を行う自動入札戦略にも大きく影響してくる内容です。アトリビューションモデルとキャンペーン自動入札戦略については、セットで理解しておいた方が良いので、自動入札戦略について知見がまだない場合は下のリンクより学習してください。
アトリビューションモデルの種類
アトリビューションモデルには6種類が存在し、それぞれのモデルでコンバージョンのデータを貢献するルール付けが異なります。一つ一つを解説していきます。
ラストクリック

ラストクリックとは、最後にクリックされた広告とキーワードのみに100%の貢献度を与えます。あなたが出稿している広告がクリックされる以前にユーザーがどんな経路を辿ったとしても、最後にクリックされたあなたの広告とその時に使用されたキーワードのみの情報をGoogleは学習するようになります。
まだ広告運用を始めたばかりで、これからどんなキーワードが最適になるのか分からない方、どんなキャンペーン入札戦略でこれから広告を出稿するかまだ不明である方におすすめのアトリビューションモデルです。
ファーストクリック

ファーストクリックとは、一番初めにクリックされた広告とキーワードのみに100%の貢献度を与えます。あなたが出稿している広告がクリックされた後にユーザーがどんな経路を辿って、再びあなたのWebサイト/アプリへ流入してきたとしても、最初にクリックされたあなたの広告とその時に使用されたキーワードのみの情報をGoogleは学習するようになります。
ファーストクリックのアトリビューションモデルですが、ブランディング用の広告向けです。実際にリードを獲得(新規顧客の獲得)を目的としてる場合は不向きなオプションですが、ディスプレイ広告のように主にブランディングを目的としている場合はファーストクリックを選ぶと良いかもしれません。
線型(せんけい)

線型は、広告がいつクリックされた場合でも、複数の流入経路があった場合でも、全ての経由地とその時に使用されたキーワードに対して均等にコンバージョンを貢献します。
例えば、あるユーザーが『レディース サンダル』という検索キーワードを使用し、自然検索によって流入してきたとします。その後、同ユーザーが『レディース パンプス』というキーワードを使用し、広告クリック経由で流入してきたとします。
そのユーザーが実際にコンバージョンを発生させると、自然検索のキーワードに50%、広告経由のキーワードに50%と、それぞれ等しく価値を割り当てます。コンバージョンレポートに反映される数値も、この場合は0.5となります。
仮に経由地の母数が多くなるとそれに伴ってレポートに反映されるコンバージョンデータは小さくなりますが、コンバージョンに至ったそのユーザーが使用した全てのキーワードに対して価値を生み出したいのであれば、線型のオプションがおすすめです。
減衰(げんすい)

減衰は、コンバージョンを発生させたユーザーが最後に経由した直接的な経路に対して一番多くの貢献度を付与します。一方で、同ユーザーが一番初めに流入した際の経路に対して一番少ない貢献度を付与します。
例えば、ユーザーAが『ブログ記事経由→広告経由→自然検索』の順に流入し、最終的にコンバージョンを発生させた場合は、その時使用されたキーワードに対して以下のような貢献度の分配になります:
ブログ記事経由 = 20%
広告経由 = 30%
自然検索 = 50%
この場合、Google広告コンバージョンレポートでも、0.3という数値が付くようになります。
上の例で言うと、減衰の設定は、例え小さくとも初めのブログ記事経由で流入してきた際の情報へも価値を与えたいが、やはり最終的な自然検索流入でコンバージョンに繋がった際に使用されたキーワードをより重視したい場合に使えるオプションです。
接点ベース

接点ベースでは、最初と最後の経由地に40%の価値を割り当て、中間の経由地に対して20%の価値を割り当てるオプションです。
ユーザーが初めて興味をもったキーワード、そして最終的にコンバージョンまで至った際に使用されたキーワード、どちらも重要視する場合は接点ベースがおすすめです。
例えば、ユーザーAが『ブログ記事経由→広告経由→自然検索』の順に流入し、最終的にコンバージョンを発生させた場合は、その時使用されたキーワードに対して以下のような貢献度の分配になります:
ブログ記事経由 = 40%
広告経由 = 20%
自然検索 = 40%
この場合、コンバージョンレポートに反映される数値も0.2となります。中間の広告経由より、ブログ記事に至った際に使用されたキーワード、そして最終的なコンバージョンに至った際の自然検索で使用されたキーワードがより評価され、それぞれのキーワードに対して機械学習が進みます。
データドリブン

データドリブンは、コンバージョンアクションを作成する際にデフォルトで選択されているGoogle推奨のアトリビューションモデルです。
データドリブンは、他のアトリビューションモデルのようにハマった型ではなく、過去のデータを元に自動的にGoogle広告のロボットがそれぞれの経由地とキーワードに対してコンバージョンの価値を割り当てます。
キャンペーン内の設定で、入札戦略やターゲティングなどありますが、そのキャンペーンの設定や、キャンペーンの目的に対してGoogleのロボット側が『良い』と判断した場合、コンバージョンのデータを貢献するようになります。